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いつもより、早足で。
いつもより、髪を揺らして。
本当は走って行きたいのだけれど、朝の静かな廊下にバタバタとした音は似合わないから、早歩きをする。
長い渡り廊下がもどかしい。
階段を一段飛ばして、上がる。
どうして、息も切れそうな程に、こんなに急いでるんだろう。
1秒でも
1秒でも長く、先輩の近くに行きたいから。
あわよくばの“何か”を
期待しているから。
急いだ動悸か、高鳴る鼓動か。
分からないまま、
今、目的地のドアを開けた。
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