朴念仁の梅仕事

1/2
前へ
/16ページ
次へ

朴念仁の梅仕事

 ――わあ! ウメの実、いっぱいなってるよ!  自分の体の何倍もある大きな木。  葉の隙間からは明るい陽光が洩れて、青々とした葉やたわわに実った丸い実を優しく照らす。  辺り一面に漂う梅の甘い香り。風が吹く度に、葉がサワサワと揺れる。  ――これでおいしいもの、いっぱい作るの?  隣にいた父を見上げて尋ねれば、無言で私の頭に手を置いた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加