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気が付くと、彼女を巻き添えに踊り場に倒れていた。
彼女は苦しそうに顔を歪めている。
ベルの音は、もう鳴っていない。
階段の上を見たが、白い手はもう無かった。
ホッとして息を吐く。
「いったーい!」
彼女が眉を顰めたままそう言った。
「ごめん!」
僕は慌てて謝罪する。
「本当にごめん!怪我は?!」
彼女の傍らにしゃがみ込んで状態を確かめる。
彼女は僕に見せ付けるように膝を突き出した。
「アンタのせいですりむいちゃったじゃない!どうしてくれるの?」
「ご……ごめん」
「あとで消毒液と絆創膏買ってもらうからね。あと、慰謝料にパフェも貰うから」
「ええ!?」
抗議の悲鳴をあげると、彼女に物凄い目で睨まれた。
「わ……わかった。いいよ」
「はい、契約成立。それじゃ、いつまでもこんなトコに居ても仕方ないし、待合室に移動しよっか」
彼女はそれだけ言うと、サッサと歩きだした。
僕は慌ててその後を追う。
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