3月~ Side:Toru

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「・・・・んっ・・・・賢、吾・・・・」 賢吾が息を乱しながらまぶたを上げ、潤んだ黒い瞳で俺を見た瞬間、埋まったものがどくりと脈打ち更に膨らむ。 「・・・・とおっ・・・・」 賢吾の両手に臀部を掴まれ、激しく突き上げられる。 振動がもたらす快感が体中に響く。 「ひっ・・あ、待っ・・・ゃっ・・・・」 以前、賢吾が俺の体を楽器に例えたことがあった。 その時はピンとこなかったけれど、今はわかる。 「・・・・ぁ、ぁっ、ぃ、ぃぃ・・・・ぁ、ぁ、ぁ・・・・」 俺と賢吾のリズムが快感に変わって体中に響き、消える前に新たな快感が幾重にも重なって深まって濃密さを増し、昇っていく・・・・ 「・・・・っ」 刻んでいたリズムを賢吾が先に乱し、その乱れた強いリズムが最後に俺を弾く。 「ーぁーー・・・・」 終わらない絶頂感。 ああ・・・・いい、気持ちいい・・・・ 肺が焼き切れるように熱くて、でも、快楽は脳を満たし、入りきらずに溢れ零れつづけている。 何度も震える体を熱い体が包み込んでくれる。 賢吾、賢吾・・・・ 繋がっていた身体が二つに離れ、反射的に賢吾にしがみつく。 額に頬に押し当てられる賢吾の唇はやわらかく、目元を舐める舌はやさしい。 「透・・・・」 目を開けると体勢は反転していて、俺の上で賢吾が微笑んでいる。 「・・・・けん―」 ついばむようなキスが繰り返され、頬を撫でられる。 甘えてくる賢吾の頬を両手で包み、髪をかき上げるようにして引き寄せ、抱きしめる。 髪を掻き分けて首筋にキスをし舐めて吸うと、賢吾がびくりと身体を震わせる。 賢吾が気持ちよくなってくれるのがうれしくて、弱い部分を舌先でたどる。 「・・・・透・・・・」 湿った囁きが俺の耳に吹き込まれ、今度は俺の身体が震える。 耳殻を食まれて、収まりかけた熱がまた上がりはじめる。 「・・・・はぁ・・・・ぁ・・・・」 舌先が耳の穴にねじ込まれ、ぞくぞくとした快感に襲われるけれど、もうこれじゃ足りない。
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