第1章 世界に生きるは神魔霊獣なり

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「…その後、人間の大半は1つの大陸ごと滅びた。これは、古くから言い伝えられている世界の歴史の一部です。現代では、この時の事を絶望の時代と呼んでいます。」 1人の女性の声が部屋に響く。その女性は教卓の前に立ち、教科書を片手に授業を行っていた。 周りには生徒と思わしき子らが沢山おり、必死に女性が言ったこと、黒板に書いたことをノートにまとめていた。 「先生、質問があるんどすがよろしおすか?」 1人の女の子がゆっくりと手を上げながら言葉を発する。 「はい、玉藻さん。何かしら?」 女性…先生はその玉藻という女子生徒に問いかけた。 「人間の大半が滅びてもうたと伝承では伝えられておりますが、どのように滅びたのか教えていただけますか?」 「…その事ですか…残念ながらその事については未だに謎なのです。'知恵'が一体何を決意し人間に対して何を行ったのか。」 「そうですか、残念どすなぁ…」 「どうせ馬鹿な人間が自爆したんだろ」 玉藻の声の後に1人の男子の声が発せられる。発したのは目が1つなのが特徴的な坊主頭の少年だった。 「あら、一ツ目君。それはどういう考えどすか? 」 「簡単な事じゃん。人間は野蛮なんだからどうせ調子に乗ったんだよ!」 一ツ目は当たり前の事のように言い張る。確かにあの時代、伝承だけしかなくても人間が血迷っていた事を考えたらありえない話ではない。周りの生徒もそうかもしれないと思い始める。 「単純な考え方ね、オツムが足りないんじゃない?」 そんな中、冷気が乗った冷たい声が響く。 「はぁ?何だよ雪目!?」 冷気の少女、雪目は冷たく言い放つ。 「少しは考えなさいよ。良くも悪くも人間は'知恵'に 選ばれた存在よ。使い方がわからない物なんか作るわけないでしょ」 「せっ制御できなかったかもしれないじゃないか!」 「ありえないわね」 「なっ何でそう言えるんだよ!?」 「人間は'知恵'を得ていた、これでわからない?」 「はぁ?だからどういうっ…」 「なるほど、雪目はんがいいたいことはそういう事どすか…」 「なかなか良い目の付け所だと思いますよ、雪目さん」 玉藻と先生は雪目が言いたい事がわかったようだ。
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