第1章 世界に生きるは神魔霊獣なり

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「まぁ要するに、人間に制御出来ないものなんか作ったら1つの大陸だけじゃ足らないって事よ」 簡単にまとめればそういう事である。'知恵'の正体が何であるかは未だ謎であり、どのような恩恵を与えたかは詳しく記述されてはいない。しかし、人間は自分で考えて物を作る能力を持っていた事は確実である。 考えるという事はただ案を出すだけではない。物を作る、材料はどうするのか、何を使うのか、どこから持ってくるのか、実用性はあるのか、そもそもどのような理論なのか、自分達に害はないのか… 自分達にとってリスクがある事を進んでするとは思えない。 「けど雪目はん、言い伝え通りやったら'知恵'は何か決意をしたんやろ?これは人間を自滅させる事を決意したとも考えられるんちゃう?」 確かに'知恵'は何かを決意したと言い伝えられている。 「そ、そうだぜ、'知恵'が自滅するよう仕組んだかもしれないじゃないかっ!」 一ツ目は暗闇の中見えた蜘蛛の糸(自分にとって都合の良い話題)にとびつく。 「…確かに'知恵'が何かしたのは間違いないと思うわよ。言い伝えでも'知恵'が何かを決意したから大陸ごと滅んだわけだし」 「それみろそれみ「でも自滅した線は無いわ」…へ?」 無残にも蜘蛛の糸を雪目はつかみ… 「何故そう思うのかぁ…聞いてもよろしおすか?」 「だって… わざわざ自分達を滅ぼす物を作ると思う?」 引きちぎった。 そう、考えればその通りなのだ。わざわざ自分達を滅ぼす物なんて作る必要なんてないのだ。 Q.言いくるめられたのでは無いか? -'知恵'によって考えられる力を与えられた人間が”全員”言いくるめられるか? Q.操られたのでは無いか? -操れたのなら、わざわざライブ大陸ごと滅ぼす必要は無い。 雪目の仮説が正しいとは限らない。いくらでも都合の良い展開を付け加えられるからだ。ただ、否定する事も出来ない。 ~キーンコーンカーンコーン…~ 「はい、白熱した議論でしたが今日はここで終了です。」 終了のチャイムがなり、先生から終了の声がかけられる。 「皆さん、雪目さんと玉藻さん、それに一ツ目君の話は聞いていましたね。本日の宿題はこの議論内容に対して自分の考えを書いていただきます。明日提出ですよ~」 「「「えっ~~」」」
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