必死の逃走、だったのかもしれない

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「あんな所にビニール傘が落ちてる。さっきの雨は風は大して酷くなかったから飛ばされたって感じではないし、上がったから誰か捨てて行ったのかな?」 「駄目だろ。田んぼに落ちたりしたら錆びるし、作業の邪魔になるよ。畳んでゴミ箱まで持っていくから……、うわっ!?」 「え!? 凄く小さかったけど、今の蛙だったよね?」 「うん、傘の内側にいた」 「凄い、幾ら傘を取ろうとして前かがみになってたとはいえ、あの小ささであんたの頭を飛び越えて、逃げて行ったわよ?」 「本当にびっくり。ピョーンって飛んだと思ったら、すぐ見えなくなった」 「あのジャンプ力があんたに有ったら、身長から比較換算するとスカイツリーも飛び越せそうよね」 「そうだね。いっちょ本気で、ピョーンで飛んでみるか?」 「止めて、田んぼに落ちるだけだから」
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