11人が本棚に入れています
本棚に追加
あの頃の私はなにもすることができないと思っていた。
てれび戦士歴が一番長くて、私がしっかりしないと焦っていた。
でもあいつに出会い、変わることができた。
そして、天てれを卒業して何年か経っていた。
『樹音ー!!こっちこっち!!』
『羅夢、裕太お待たせ!!遅くなってごめん!!』
『いいよ。俺たちもさっき来たところだし、それにまだ一磨が来てないからセーフだからさ。』
今日は久しぶりに皆の休みが被ったので一緒に出かけることになった。
天てれ卒業してから、こうやって集まる機会もなくなり、忙しくなっていた。
『たっく、あの馬鹿!!なにやってるのよ!!』
『まあまあ、羅夢落ち着いて。』
『でも、今回は一磨が…樹音のために!!』
『あっ、羅夢!!それは!!』
『えっ?樹音のためって、どういうこと?』
『うんうん、なんでもないよ。ねぇ、裕太!!』
『そうそう、樹音の気のせいだよ。』
『ほんとに?』
『『ホントだよ!!』』
少し二人の発言が気になってはいるが、樹音はまだここに来てない一磨を二人と待っていると…
『あっ、一磨来たよ。』
『わりぃ!!遅くなった!!』
『遅いよ、一磨!!何してたのよ!?』
『いやー、ちょっと色々あってさぁ。』
『言い訳ご無用!!』
『まあまあ、一磨も来たところだし行こうか。』
『そうそう、電車に乗り遅れるしな。』
『たっく、こう言うときは調子に乗る。早く切符買いに行くよ。』
羅夢と裕太が樹音達分の切符を買いに行っている間、樹音は一磨と二人きりになっていた。
『一磨久しぶりだね。元気してた?』
『あーあ、樹音も元気にしてたか?』
『まあぼちぼちかな。』
『そうか。』
こうやって、一磨と話していると懐かしい。
天てれにいた頃はこうやって話していたけ…あの頃は本当に楽しかった。
最近の一磨はよくテレビで見かける…その姿はとてもかっこよくて大人の男性って感じがした。
そして気づけば、一磨の存在が最も遠い存在へとなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!