悲しい始まり

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エリスの表情が一気に曇る。汚物を見るような目つきに変わった。 「レイネ姉様・従者の皆もご機嫌麗しゅう。」 先ほどまで綺麗で妖精が歌っているのかと思う彼女の声はまた無機質なただの音になっていた。 「エリス様ご機嫌麗しゅうございます。あのような貧民に目をおかけとは国の行く末も心配ですなぁ!」 騎士甲冑を着込んだ30代程度の男がレウスに対する侮辱の言葉を投げつける。それに同調し取り巻きの騎士3人も大笑いするのだった。エリスの顔は曇り、怒りに歪んだ表情を隠せないでいた。 「姉様も含め貴様ら程度の騎士より、レウスの方が有能だゴミが。」 「エリス今何といったの聞こえなかったわ…」 怒りをあらわにしたレイネは怒りに震える拳をエリスに叩き付けるのだった。 ドゴッ 鈍い音が王宮の廊下に響く。しかし、全く倒れないエリスとハァハァと息を切らせるレイネ。 エリスは幼い頃より戦闘訓練を受け、対人格闘や基礎トレーニング・受け身術を体得していたため身長は伸びなかったものの荒事には素晴らしい才能を発揮していた。 「気に入らないわやってしまいなさい!」 「レイネ様本当によろしいのか?」 「命令よ!!何でもいいから私の怒りを鎮めなさい!!」 「了解!!」 大の大人騎士4人が少女に向かって襲い掛かってくる。 「本当にこの国は腐っているわ」
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