第19話

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結局そのままお互い無言になっちゃって なんとなく気まずかった。 部屋に戻り荷物をまとめると、早速皐月を呼び出す。 口実なんてもうネタ切れで超適当。 だってこのままじゃ駄目だろう。 皐月にとって高校2年の夏休みは、絶対かげがえのないもので。 いつか大人になって思い出した時に 楽しかったと思ってもらいたい。 俺の事も、たまには思い出してくれたらいいな ……なんて、精一杯の綺麗事。 痛くもないのに高校生に湿布貼ってもらってご満悦なアラサーとか、犯罪だろ。 「痛っ!」 余計な事考えたバチが当たったのか 叩きつけるような痛みと同時に感じる冷たい感覚 優しく貼ってよって言おうと振り返ると同じタイミングで 「…っ、帰る」 ドアに向かって歩き出す皐月。 なんで突然帰ろうとしたのか、理由は分からないけど。 「あ、ちびすけ…、」 遠ざかる背中に思わず手を伸ばして引き留めた。 「…なに、」 行くなって、傍にいてよって 「…ごめん、何でもない」 そんな事、言えない癖に。
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