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「俺の夢は…先生の、夢が叶うことかな」
俺の背中に跨ったまま呟いた皐月の声が
意外と優しく響くから、心の中が分からない。
「…俺?」
「先生の、夢ってある?」
大人になって仕事がある今、考えた事なかったけど。
『夢』と聞かれて頭に浮かぶのはどれも
皐月と一緒の未来ばかりで。
それはつまり、この仕事をしていたら難しいって事。
これから先を皐月と一緒に居たい、なんて
言ったら皐月は、どんな顔すんのかな。
「俺の夢は、ここにいたら叶わない、かなあ。」
…言えないけど。
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