第19話

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「俺の夢は…先生の、夢が叶うことかな」 俺の背中に跨ったまま呟いた皐月の声が 意外と優しく響くから、心の中が分からない。 「…俺?」 「先生の、夢ってある?」 大人になって仕事がある今、考えた事なかったけど。 『夢』と聞かれて頭に浮かぶのはどれも 皐月と一緒の未来ばかりで。 それはつまり、この仕事をしていたら難しいって事。 これから先を皐月と一緒に居たい、なんて 言ったら皐月は、どんな顔すんのかな。 「俺の夢は、ここにいたら叶わない、かなあ。」 …言えないけど。
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