新設校の旧校舎

皆輝学園。

開校から六年を迎える、まだ新しいこの学校には、真新しい新校舎と、古めかしい旧校舎がある。

鉄筋コンクリートの白くて無機質な新校舎に比べ、木造の焦げ茶色の旧校舎は、その古めかしさが逆にオシャレと言われるほど。

昭和初期に建てられたらしいここは、歴史的な史跡として、自治体の重要文化財にも指定された貴重な存在。

そんな旧校舎の入り口に、今私は立っている。

謎時　結(なぞとき　ゆい)

皆輝学園の新聞部に在籍する私。

『夜な夜な、旧校舎に幽霊が現れる』

そんな噂を聞いたら、調べずにはいられない！

とりあえず、まずは、事の発端であるこの旧校舎を調べる。

「そいじゃまぁ、いきますか」

若干かび臭い入り口をくぐり、私は旧校舎へと足を踏み入れた。