新設校の旧校舎

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「なんだか眠くなってきたな」 「ま、待って!寝たら死んじゃうから!」 「生きても地獄だ。 それもいいかも……」 文左衛門の瞼が少しずつ閉じていく。 周りの子達も同じようす。 かくいう、私だってちょっと危ない。 起きていられるのは、『生きて帰る』と、強く思っているからに他ならない。 なにか、なにか目を覚まさせる事は……。 辺りを見渡して、ふと目に入ったのは、文左衛門が「見るな」と懇願していた小説。 本棚からそれを取り出すと、文左衛門の目の前に持っていく。 「起きなさいよ!起きないと、大声でこれを朗読するわよ!?」 それでも、文左衛門の瞼が開く事はなくて。 万事休す。 そう思った瞬間、暗い防空壕に明かりがさす。 「お~い、大丈夫だったか?」 その声とともに、防空壕は爆発した。
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