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季節は初夏。
六月の暑さを海の楽しさで追い払いたい!
こうなったら、かきちゃんには合宿をもちかけて、楽しいイベントを考えてもらうしかない。
水族館行きたい! 美味しいもの食べたい!
水族館といえば魚!!
……魚かぁ。
もうじき夏バテする季節だからガツガツとお肉を食べるより、さっぱりとした魚が食べたいなあ。
お刺身とかカルパッチョは、ぐったりする夏に元気をくれるんだ。
きっと御崎ちゃん兄弟に頼んだら『大トロ! 伊勢海老! アワビ!』なんて高級食材を持ってきそうだから、頼みにくいけど。
うーん、晩御飯はちゃんと七時に食べたのに……。
無性にイカソーメンが欲しくなってきちゃった。
「お母さん、明日はイカソーメン食べたい!」
「丁度良かった。日和がお風呂に入っている間に嘉菊君から烏賊が届いてたわよ。最高の烏賊を食べて元気をだしてくださいだって」
自分の部屋から大声を出すと、予想外の返事がきた。
かきちゃん……私の考えを呼んでたなぁ。
なんか掌の上で回されてるみたいで悔しい。
「あと、宿題はちゃんとしなさいですって。本当に嘉菊君は日和に甘々ね! 将来は嘉菊君みたいな子と付き合いなさいね」
「な、なん! なに言ってるの!? かきちゃんはそういうのじゃないの! お母さんが思ってるより、ずっと変なんだからね!」
愛してるぜとか言いながらプロレス技かけてくるし。
すっごく意地悪だもん。
でも、なんだろうなあ。
変だけど信頼はできるというか、安心するというか。
なんだか複雑な気持ちだなあ。
「……うーん」
この気持ちがどういう感覚かはわからない。
でも、なんだろうな。嫌じゃないんだ。
かきちゃん……明日は学校来てくれるかな?
いつになったら会えるんだろう。
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