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「で、いつだ?」
「来週の土曜日。リン達の邸宅で・・・」
「ふうん」
捺さんは適当に相槌を打ち、ハムサンドに手を伸ばした。
「出席してもいいよね」
「勝手にすればいい・・・」
「勝手にします」
私は気のない素振りを見せる捺さんに腹が立ち、プイッと顔を逸らしてキッチンに戻った。
食洗機の中の洗い終えた食器を食器棚に片づけていると設楽さんがお皿を渡しに来た。
「ご馳走様でした。奥様の手作りサンドイッチとっても美味しかったですよ」
「どういたしまして」
私はお皿を受け取った。
「気のない振りをしていますが、社長は奥様の同窓会、気に掛けていますよ」
「それは設楽さんの勘違いです」
「釣った魚に餌をやらない社長に相当不満あるようですね」
設楽さんはエスパーか?
私達のコトを見透かしていた。
「俺が奥様の不満解消差し上げましょうか?」
「け、結構です・・・」
「社長はツンデレなんですよ。でも、奥様のコトは社長なりにちゃんと愛していますから…安心してくださいね」
「設楽・・・さん?」
「早くデレた社長が見てみたい。奥様もそう思うでしょう?」
「・・・」
デレた捺さんか・・・
捺さんがツンデレだっていうコトは前から分かっているけど。
私もデレた捺さんを見てみたい。
設楽さんに心の中で同調した・・・
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