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「そうか・・・なら土曜日の件、頼んだぞ。栗原」
「承知しました。桐生社長。バイト代は弾んで下さいよ」
「ああ」
栗原は設楽のコーヒーを一気に飲み干して社長室を出た。
「その盗聴器で何を訊くんですか?社長」
「何でもいいだろ・・・」
俺は袋の中に戻してソファを立ち上がり、ブリーフケースにしまい込んだ。
「奥様の同窓会をそれで盗聴するんですか?」
設楽は俺のやるコトを見透かしていた。
「別にいいだろ・・・」
俺は椅子に腰を下ろし、デスクに置かれた資料に目を通した。
「・・・行って欲しくないんなら、ハッキリそう言えばいいと思います」
「俺は別に行って欲しくないと思ってない」
「じゃ何で盗聴するんですか?」
「・・・」
「奥様に告白した白石家の御曹司の臨也様が気になるんですね・・・」
「だ、誰から訊いたんだ??」
「ヤッキーから訊きました・・・」
「康人のヤツ…余計なコトを」
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