(30)砂時計

4/12
前へ
/90ページ
次へ
「バレた時はどうするんですか?」 「バレないようにする。だから、設楽お前も留奈に言うなよ。これは社長命令だ。設楽」 「社長の命令と言えば、くだらないコトばかり。 有能なこの俺に他に命令するコトあるでしょ?」 有能って・・・ とうとう設楽のヤツ、この俺に隠していた爪を出し始めた。 「お前に命令するコトは他にない。俺も社長として有能だから・・・」 設楽は呆れたような表情になった。 「話はおしまいだ。コーヒー淹れてくれ」 「俺に命令するコトはないと先程仰いましたけど…社長」 「つべこべ言わずに淹れろ!!」 俺はデスクに置いてあった空のカップを設楽に渡した。 「・・・承知しました」と設楽は給湯室に消えて行く。 独占欲の強い束縛男みたいになれば、留奈が俺に依存してしまう。 でも、あのアイドルの卵のリンが無性に気になった。 今でも、留奈を想っているかのような目つき。 リンが俺を不安にさせたーーー・・・
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

953人が本棚に入れています
本棚に追加