(30)砂時計

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__________ _____ 俺は田園調布にある濱部邸を訊ね、栗原とリビングで落ち合った。 「これが白石邸の見取り図です」 栗原はご丁寧に白石邸の見取り図を広げて見せてくれた。 「同窓会が行われる場所は東側の大広間だと思います」 栗原が大広間の場所を指差す。 「そうか・・・ここか・・・」 「捺お前は栗原と何をするんだ?」 何も知らないトーマは訝しげに俺達を見つめる。 「トーマには関係ないコトだ・・・」 「ここは俺の自宅だ。関係なくはない!」 トーマがローテーブルに広げた地図を取り上げた。 「大体、どうして隣の白石邸の見取り図が要るんだ?捺」 「今日の18時半から白石邸で留奈夫人の同窓会が行われるんですよ」 黙り込んでいた俺の代わりに栗原が説明した。 「留奈ちゃんの同窓会?」 「臨也君と晋也君は留奈夫人の小学校時代の同級生らしいです」 「へぇーリンとシンが留奈ちゃんと同級生ね・・・でも、二人はニューヨークにダンスの勉強しに」 「先々週、ニューヨークから帰国したんですよ」 「へぇーそうなのか…知らなかった」
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