(30)砂時計

6/12
前へ
/90ページ
次へ
「で、お前らはここで何をするつもりだ?お前らも同窓会に参加するのか?」 「俺達はその同窓会を盗聴するんです」 栗原は悪びれる素振りを見せず、堂々と答えた。 「と、盗聴!!?」 「高性能の指向アンテナも取り付けたので安心してください。桐生社長」 栗原は俺に盗聴受信機を渡した。 俺は耳にイヤホンを差し込む。 「一体何の為に留奈ちゃんの同窓会を盗聴するんだ?」 「臨也君が留奈夫人のコトを想っているらしいです」 「リンが想ってると言っても…留奈ちゃんは捺のコトを。 二人の仲が気になるんだったら、同窓会に参加するなと言えよ。捺。盗聴なんてバレたら、留奈ちゃん怒るぞ」 「トーマお前はあっちに行けっ!お前の声で聞えない!!」
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

951人が本棚に入れています
本棚に追加