(30)砂時計

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邸宅の脇にある10台は駐車可能な駐車スペース。 1台のマイクロバスが駐車していた。 俺はバスの隣のスペースに車を停めて、正面玄関に向かう。 世界的な銘木とされるマカボニーの両扉。 邸宅は重厚な洋風の3階建て。 扉が開き、中から出て来たのはリン本人。 「待ってたよ。桐生社長」 コイツ…俺が来るコトを知っていた・・・ 「誰に訊いた?」 「隣の濱部社長から電話がかかって来て訊いたんだ・・・」 トーマは自分で何とかしろと言っていた割には根回ししてくれたんだ。 「俺の用事はわかってるよな。 留奈をここに連れて来てくれ。今すぐに連れ帰る」 「藤ヶ谷はあんたが此処に来たコト知らない。 自分で連れ帰れよ」 「それは・・・留奈の元クラスメイト達が居るんだろ??」 俺は戸惑う。
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