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「お前が俺に依存をするのを見ていて、俺が先に死んで、お前の悲しみの深さを思い遣ると、愛されるのに、尽くされるのに戸惑いを感じてしまう」
捺さんの纏っていたベールがはがされていく。
私は捺さんに凄く愛されている。
それも一途に深く切ないほどに。
彼の母親の死がその愛を戸惑わせていた。
捺さんは私を腕の中に抱き締めた。
久し振りに包まれた捺さんの匂いと温かさ。
私の瞳には涙が溢れる。
「お前は俺にとってかけがえのない存在だ。留奈。例え、俺が死んで二人の愛は終わっても、永遠の愛を誓った事実は消えない。俺は命の尽きるその刹那まで、お前を愛する」
捺さんは瞳を潤ませながらも甘い煌めいを湛え、凛とした決意の光を私に見せた。
私も命の尽きるその刹那まで捺さんを愛します・・・
唇を重ねて、もう一度永遠の愛を誓った。
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