927人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「おはようございます、社長に奥様」
いつものポーカーフェイスで挨拶をする設楽。
「おはようございます。設楽さん」
俺よりも先に留奈が設楽に挨拶をした。
設楽やトーマ達のおかげで俺と留奈の仲も一層深まり、蜜な夜を過ごした。
「はい」
留奈はソファに置いていたブリーフケースを俺に渡した。
「サンキュー、留奈」
こんなにも後ろ髪を引かれるのは初めてだ。
このまま、留奈を一人したくない。
俺は留奈をジッと見つめる。
留奈も俺を見つめ返した。
互いに別れを惜しんでいる。
――――――ベットに戻って留奈を抱きたい。
「社長、遅れますよ」
設楽が俺達の間に水を差した。そして、俺の腕を掴んで玄関先へと強制的引き摺り出す。
「設楽…俺は社長だぞ!!秘書が社長を乱暴に扱っていいと思ってんのか?」
最初のコメントを投稿しよう!