(32)社長と秘書

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「奥様と心を通い合わせ、愛を深められたのはよろしいですが・・・キチンと仕事をしていただなくては困ります」 「仕事はちゃんとする。 唯、留奈との別れが寂しいだけだ・・・」 「捺さん、スマホ忘れてますよ」 留奈はリビングのテーブルに置いたままのスマホを持って来てくれた。 「サンキュー」 俺はスマホを受け取り、礼を言った。 俺は留奈と見つめ合う。 「いってらしゃい。捺さん」 少し切なげな留奈の声色。 留奈も俺との別れを惜しんでいるのか・・・ 「社長、急ぎますよ」 「30秒、30秒だけ待ってくれ。設楽」 「キスするんですか?あっち向いていればいいんですか?」 設楽はそっぽを向いた。 設楽は俺の行動を何でもお見通しのよう。 それが癪に障るが、俺は留奈の腰を抱き、キスを落とした。
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