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俺は留奈を残して、会社に向かう。
「色々と気を遣わせて悪かったな・・・設楽」
「洋貴に訊いたんですか?」
「ああ」
そう言えば、栗原は妙なコトを言っていたのを思い出した。
設楽は誰かに頼まれて、俺と留奈を離婚させようとしていたとか。
しかし、設楽は俺達を離婚させる処か、すれ違っていた心を重ねてくれた。
「設楽、栗原からもう一つ訊いたんだが・・・お前は誰かに頼まれて俺と留奈の仲を裂こうしていたんだろ?」
「昔の洋貴はこんなにも口の軽い男ではなかったはずなのに・・・」
設楽は、ハンドルを切りながら口惜しそうに呟いた。
「誰に頼まれたんだ?」
「貴方の知っている人ですよ」
「俺の知り合い?誰なんだ?」
俺は神妙に運転席に座る設楽を見る。
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