(33)元カノの令嬢

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「その前にキスしよう」 捺さんは私の右腕を掴んで自分の胸許に引き込んだ。 「捺さんってば!?」 私は抵抗した素振りを見せながらも内心は嬉しかった。 捺さんと私は唇を重ねる。 キスの後、捺さんはジッと私の首許に顔を近づけた。 「この痣は…キスマーク・・・」 「捺さんの付けたキスマークですからね・・・」 「普段は髪の毛で隠れて見えなかったけど…目立つな」 今夜はドレスに合わせて美容院で髪をハーフアップにセットして貰った。 捺さんはクローゼットの扉を開けて、何かを探し始める。 「入りますよ。社長に奥様」 いつまでも経っても、出てこない私達を不審に思い設楽さんが部屋に入って来た。 「何をしてるんですか??社長」 「留奈の首許を隠そうと思って・・・」 「首許??」 「キスマークが見えると言うか・・・」 「それは社長自身が付けたんでしょ?もっと隠れた場所に選ばないから・・・」 「普段は髪の毛を下ろしてるから隠れてたんだ・・・」
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