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「ストールで隠しましょう」
設楽さんが白の花柄のラメストールを手にして、私の首許に巻いた。
「これで見えませんよ」
「さすがは設楽・・・」
「さあ、急ぎますよ。社長に奥様」
「ああ」
捺さんに引っかき回されたクローゼットは見ない振りして、パーティに急ぐ。
パーティ会場はダイヤモンドホテル銀座。
私達二人にとっては想い出の場所だ。
あれから5ヵ月しか経っていない。
私にとって捺さんは史上最低最悪の男性だった。
こんな男性とは絶対に結婚したくないし、スキにはならないと思ってたのに。
今ではお父さん以上にかけがえのない大切な人になった。
捺さんは即席で隠したキスマークをキチンと隠すアイテムを探して、2階にあるジュエリーショップに立ち寄った。
「これから隠れるぞ。留奈」
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