(33)元カノの令嬢

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「ストールで隠しましょう」 設楽さんが白の花柄のラメストールを手にして、私の首許に巻いた。 「これで見えませんよ」 「さすがは設楽・・・」 「さあ、急ぎますよ。社長に奥様」 「ああ」 捺さんに引っかき回されたクローゼットは見ない振りして、パーティに急ぐ。 パーティ会場はダイヤモンドホテル銀座。 私達二人にとっては想い出の場所だ。 あれから5ヵ月しか経っていない。 私にとって捺さんは史上最低最悪の男性だった。 こんな男性とは絶対に結婚したくないし、スキにはならないと思ってたのに。 今ではお父さん以上にかけがえのない大切な人になった。 捺さんは即席で隠したキスマークをキチンと隠すアイテムを探して、2階にあるジュエリーショップに立ち寄った。 「これから隠れるぞ。留奈」
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