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「留奈さん・・・ここのビールがないわ。持って来て頂戴!」
「あ、はい」
お義父さんの妹の和子(カズコ)さんに言われ、仲居さんに瓶ビールを頼みに廊下に出た。
その時だった…急に眩暈を起こし、近くの柱に寄り掛かった。
「どうしました?奥様」
丁度設楽さんが私の前を通りかかる。
「少し眩暈がしただけです」
眩暈はほんの一瞬で視野も元に戻った。
「少し休まれてはどうですか?顔色も悪いですよ」
「で、でも・・・今日は・・・」
「自分の体調の方が大事ですよ。奥様」
設楽さんの言う通り。
私は妊娠しているカラダかもしれない。
「でも・・・」
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