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「ちょっと留奈さん…貴方まだそこに居たの?」
部屋から和子さんが出て来て私を詰る。
「申し訳有りません。直ぐに頼んできます!」
私は設楽さんを押しのけて走り出す。
「!!?」
私は床に足を滑らせて前のめりに扱けてしまった。
何とか手は付いたけど、下腹部に痛みが走る。
「奥様!!?」
設楽さんが慌てて私に駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「お腹が痛い…赤ちゃんが居るかもしれないんです・・・」
私は設楽さんの小声で訴えた。
「和子さん、今すぐに捺様を呼んできてください!!」
「こけた位で大げさね・・・」
和子さんの冷たい声が私に背中に突き刺さった。
「奥様は妊娠されているかもしれないんです。桐生家本家の後継者となる赤子を流産させる気ですか!!?」
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