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「大丈夫かな? 田宮くん」
隣であかねが心配している。
実は、あたしも少しそれが心配だった。
去年、試合に負けたときは、まだ1年生というのもあったし、地区予選でいいところまで行っていたから、それほどのダメージはない様子だったけれど。
レギュラーを取ってからというもの、あたしのことを放ったらかすほど練習ばかりしていたから、さすがに1回戦で負けとなると、落ち込むかもしれない。
「鈴、」
「ん?」
「毒舌、封印しなよね」
あかねが釘をさす。まさかあたしだって、落ち込んでいる人に対して手厳しいこと言ったりできないよ…。いくら翔太郎にMっ気があって、ちょっとSなあたしが好きなんだとしても。
「わかってるよ」
「いや、言いそうだからさ、鈴は。最後のファウルは何よ、あれ、とか絶対言っちゃ駄目だからね。田宮くんだって、わざとじゃないんだから。必死に取りに行った結果なんだから」
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