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こういうとき、席が一番後ろだったらなあ。
今日は授業があるわけじゃないから、すぐ解散になるだろう、と自分を励ます。
仕方なく、記念すべき高校生活最初のホームルームの間中、あたしは立っていた…というか正確には立たされていた。
担任の声が耳を素通りしていく。
高校生活のスタート、秩序、規律、勉学…。
小難しいことがいったいどれだけ耳に残るのか、あたしにはわからない。
数分後、あたしは右横から視線を感じた。
無視することもできたのに、何だかあんまり見られているので、気になってしまい、ちらりと右を見ると、隣の席の男子があたしを見ていた。
何だよ、こいつ。
これが、田宮翔太郎を見て最初に心に湧いた、正直な言葉だった。
まさか彼とあとあと散々関わることになろうとは、このときの私は夢にも思っていなかった。
相当なイケメンであることは間違いない。
芸能人にしたら、女の子たちがキャーキャー言って、すぐに売れてしまうような感じである。
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