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「は? せっかくの高校生活、エンジョイしなくてどうするの」
「あたしはいい。家のこととか忙しいし、色恋してる暇なんかないから」
「もったいな~い。鈴は、ちゃんとしたら結構可愛いのに。髪だってボサボサじゃん」
そういや蘭と追いかけっこして、家を出るのが遅れて走って、犬に追いかけられてまた走って、朝、きちんとブラッシングしたはずだったけれど、乱れまくっているんだろう。
まあ、いいや、と思った。別に好きな男子がいるわけじゃあるまいし。
「いいの、あかねがいてくれればそれでいい」
「じゃあ、あたしに彼氏ができたらひとりぼっちの時間増えちゃうよ」
「邪魔してやる」
「何よ、やめてよ。あたしはぜったい彼氏つくるんだから」
「帰ろ、あかね」
と、あかねを促したとき、隣の席にわさわさと人だかりができていた。
隣の席のイケメンの周りに女の子たちが群がっている。
イケメンの方も、まんざらでもないって顔だ。
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