第2話  好機逸すべからず

2/25
前へ
/576ページ
次へ
 俺、田宮翔太郎、今日から高校1年生だ。  高校に入ったら恋愛しよう、などと意気込んでいたわけではない。  勉強とか、部活とか、まあ、それなりに忙しくなりそうだよな、と漠然と思っていただけだ。  どうせ、ルックスで女の子は寄ってくるだろうけど、自分が好きになった子としかつきあいたくない。  古い? ってか硬派? …いやいや、硬派ではないでしょう。  見かけによらず奥手? …いやいや、それも違うでしょう。  好きになった子には、結構積極的だと思うけど。  体育館での入学式が終わって教室に戻った途端、俺の隣の席のやつが立たされた。  でもこいつ、おもしれえかも、と俺は彼女に興味を持った。  こういう女、俺、好きだな、と思った時点で、俺はきっと恋に落ちていたのだろう。  一目惚れ? だったのだろうか。結構可愛いし。  よくわからないけれど、多分、そうだったのだと思う。
/576ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加