第17話  急(せ)いては事を仕損じる

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 しかもマネージャーは、改札を通った翔太郎に抱きつかんばかりの勢いだ。  マネージャーは紙袋を翔太郎の前に突きつけた。 「先輩、あたし、一生懸命作ったんです。食べて下さい」  って、え?  やだ、あの子、あたしの方振り向て、あたし、あっかんべーをされた。 「今日の用事って、それだったの?」  翔太郎は幾分尖った声でマネージャーに訊いた。 「大会前に何考えてんの、君」  翔太郎、こういうところは手厳しい。 「先輩のお母さんがお留守なんだし、ご飯大変だろうな、って思ったんです。 これは、チームのことを思ってのことです。大事なメンバーの食事面を気にするのは、いけないことだとは思いません」 「知ってるよね、俺、彼女いるから。食事面のことは彼女に頼んであるから、君が心配する必要はないってこないだも言ったよ。聞いてなかったの?  ってか君、何考えてんの、バスケ部は俺1人じゃないんだぜ。仕事いくらでもあんだろ」
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