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あ!
石ころに、つまづいた。
コケそうになったところを、腕を掴まれる。
「大丈夫か?」
翔太郎…。
「何で鈴が逃げんの」
何だか、顔が見れない。
「だって…」
「だって、何?」
あたしは何も言えず、斜め下を向いた。
「鈴、俺をちゃんと見ろよ」
恐る恐る、翔太郎を見上げた。
怒った顔。
「鈴、どっちが残酷だと思う? その気もないのにメシもらって美味しかったとか何とか言って、期待持たせるのと、はっきり断るのと」
あたしは唇を噛んだ。
翔太郎のしたことは正しい。
と、そう思うのだけど。
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