第17話  急(せ)いては事を仕損じる

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「ちょっと~、いるんでしょ~、翔ちゃ~ん」  玄関のドアが、ドンドンと叩かれる。  翔太郎は身を起こして部屋の電気をつけ、長いため息をついた。  恨めしそうな目であたしを見下ろす。 「ごめん、起きて」  あたしは起き上がり、見繕いをして髪を直した。 「これ持って、居間に行っててくれる?」  廊下に放っぽったトートバッグを持って、言われたとおりあたしは廊下奥の居間へ行く。入り口でスイッチを探し、電気をつけた。  翔太郎が玄関の扉を開けた。 「もう、何やってんのよ、すぐに開けなさい」  たくさんの荷物とともに、翔太郎のお母さんが居間に入ってきた。 「あれ? 鈴ちゃん、来てたの」 「お邪魔してます」  あたしはバツが悪く、お母さんの顔をまともに見ることができなかった。
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