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「お兄様、起きて下さい、お兄様」
辰也が揺り動かしたが、翔太郎は起きなかった。
「あら、寝ちゃったの? 困ったわ。一度寝るとなかなか起きないのよ、この子」
小学生か。
明日は土曜日。
「このままお母さんも一緒に泊まって行ったら?」
う~、ナイスな提案、ママ最高!
翔太郎、はじめて我が家にお泊り。
かと思いきや。
「こら! バカ息子、起きんかい!」
お母さんは翔太郎を蹴っ飛ばし、無理矢理起こすと、
「すみませんね、やっぱり夜中に目覚めて、親のいるところでスリルな味を体験されると、さすがにマズいんで。だっておたくの鈴ちゃん、とっても魅力的なんですもの、ホホホホホ」
と、寝ぼける翔太郎を引きずって帰って行った。
あたしはママから睨まれる。
「健全なおつきあいです!」
断言。だって本当にそうなんだもの。
あたしたち、まだそういうこと、1回しかけたけど、実際していない…。
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