第18話  猿も木から落ちる

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 後半、強豪校を相手にじりじりと追い上げた。  けれど、相手が一枚上。相手もどんどんシュートを決めていく。  それでも第4クォーター残り5分を切って、10点差まで追い上げたとき、もしかしたらいけるんじゃないかという期待を、応援席の誰もが抱いただろう。  その点差が残り2分で6点差になったときは、応援席のみんなが前屈みになった。  あたしも手に汗を握った。  ドキドキする。ほとんど祈るような気持ちで見守った。  残り1分。4点差になった。相手チームの応援席はもうカウントダウンに入っている。  翔太郎がボールを持った。よし! いける! こちらの誰もがそう思ったのに、やたらと背が高い相手チームの選手が翔太郎にへばりついてボールを奪おうとしている。  と、目にも止まらないような早業でボールが相手チームに奪われた。  こちらの応援席からは悲鳴に近い叫びが聞こえる。
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