第18話  猿も木から落ちる

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「うん。実は、まともに顔も合わせてないんだよね~」  喧嘩でもないのに気まずいって、どうしたらいいのかさっぱりわからない。 「いい、鈴。落ち込んでいる人をさらに傷つけるようなこと、くれぐれも言っちゃ駄目だからね」  また、あかねから釘をさされた。  しかし…。  やってしまった。あたし。  試合があったのが日曜日で、月曜も火曜も水曜もそんな感じだったので、いい加減立ち上がれ、とこっちがイライラ。  水曜日の帰りに廊下でバッタリ。  あいつはあたしの顔を見るなり、 「じゃ、」  と言って去って行く。 「は?」  気がつくと追いかけていた。 「ちょっと、じゃ、って何よ、じゃ、って」  あたしは翔太郎の前に回った。
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