第18話  猿も木から落ちる

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「悪りぃ、いま、おまえと話したくないから」  右手を上げて、去って行こうとする。あたしは翔太郎のカバンを引っ張った。 「は? 何、それ。いつまで引きずってんのよ。もう3日もそんな感じで。いい加減にしてよ」  翔太郎は面倒くさそうな顔をあたしに向けた。 「うるせえな。おまえ何もスポーツしてねえんだから、わかるかよ、おまえに俺の気持ちが」  やっぱり、様子が違う。いつもならあたしが何か文句を言っても、逆に笑ったりするのに。 「ちょっと、何よ、それ。終わってしまったことをいつまでも、うだうだ引きずってたって仕方ないでしょ、悔しかったら、1人でも練習したらどうなの」 「うるせえな。顧問か? 口出しすんなよ」 「顧問じゃない。あたしはあんたの彼女だ! 間違えんなバカ!」  翔太郎は、ああ、と自分のおでこの当たりに片手を当てた。 「たまにはおまえのズケズケを聞きたくねえことだってあるんだよ、俺にも」
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