第18話  猿も木から落ちる

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 ため息と一緒にそんな言葉が飛び出してくる。何だかメラメラと腹が立ってきた。  マオというマネージャーをしていた子に言い寄られたときは、あたしに突っかかって来いとか言ってたくせに、今度は大人しいあたしを求めるのか。 「甘えてるだけでしょ、それって。あんたの、バスケに対する思いって、その程度だったの!」  気がつくとそんなことがあたしの口から飛び出ていた。もうこうなるとあたしは止まらない。廊下で言い合いになってしまった。 「だから、もう、ああ、練習すりゃ、いいんだ、練習すりゃあ、わかってるよ、そんぐらい俺にも」 「だったらすればいいでしょ。テスト前で体育館使用禁止なら、市民体育館にでもスポーツセンターにでも、どこでも行きゃあいいんだ、マイボール1つ持って」 「…テストがヤバいから、練習できねえから、フラストレーション溜まってんだよ。話しかけんな、アホ!」 「知るか、そんなの。結局、試合でミスる、挙句に負ける、テスト勉強ははかどらない、でイライラしてるだけでしょ。当たらないでよね、あたしに」
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