第18話  猿も木から落ちる

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「だからおまえと話したくないって言っただろ、当たってしまったら、おまえに悪いから…」  あたしに悪い? 何だそれ、余計わかんない。 「突っかかっていかなきゃ、突っかかって来いって言うし、突っかかれば、話したくないって言うし。面倒くさいったらありゃしない。一体、あたしはどうすればいいのよ」 「あ? この前のマネージャーのとき? だから、あんときと状況が違うだろ」 「…あ、そ。何だか、言ってる意味、ごちゃごちゃしてんだけど。要するに試合に負けたのに練習できない、テスト勉強もできない、できないづくしだからあたしの顔も見たくないって、そういうことなんだね!」 「ああ、そういうことだよ。わかったらしばらくそっとしといてくれよ」 「慰めも必要ないってか~。あたし、どうしたらいいのよ」 「どうもしなくていいよ」 「そうやってひとりで抱え込んで、イライラして、バカじゃないの!」 「ああ、どうせ俺はバカだよ!」 「やだ、何、開き直ってんのよ」 「田宮、いい加減にしろ」  中川先生があたしたちの間に割って入った。
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