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あたしは言葉を飲み込んだ。
「何、黙ってんのさ、お姉ちゃん。お姉ちゃんだけずるい。パパもママも入学式来てくれたんだから、高校の入学式にどっちも来なくてもいいじゃない」
うう、理屈はそうなるか。
あたしは返事ができなかった。
そこに志穂叔母さんが来てくれた。
「ちょっと、あんまり遅いから迎えに来たわよ。何なの鈴、まだ蘭に服も着せてないじゃない」
蘭が勝手に脱いでしまったのに、叱られたのはあたしだ。
脹れっ面のあたしを軽く睨み、叔母さんが蘭に駆け寄る。
「蘭ちゃん、お母さんは仕事場からまっすぐ蘭ちゃんが入学する小学校に行くんだからね」
「わかった」
は?
あたしの言うことはまったく聞かなかったのに、叔母さんの言うことならすぐ聞いてしまうなんて。
ちょっと、この子わざとやってない?
あたし、小学一年生の妹になめられてる?
「ちょっと、鈴(すず)ちゃん。あんた、今日高校の入学式なんじゃないの。行かなくて大丈夫?」
あ!
「叔母さん、あとはよろしくお願いします」
あたしは慌てて家を出た。
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