死神

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__嗚呼、死にたいな。 そう思ったいつもの帰り道。 学校に通うのも、友達と友達ごっこするのも、笑うフリも、息をするのも疲れてしまった。 死んでしまいたい。 でも、どうやったら死ねるんだろう。 そんな誰しもが中学生辺りで一度は考えそうな下らないことを高校生にもなって考えているニンゲンが一人。 突如として 「教えてやろうか...」 という地鳴りのような声が響く。 何か凄い衝撃があり、ふと気付いた時には空を仰いでいた。 右目から覗く空は真っ赤に染まっていて、体が半分ずつ地獄と天国に別々で存在しているようなそんな感覚だった。不思議と痛みは無い。だが身体が動かない。 近くを歩いていた男性が急いでいて彼の元へかけてきた。 しばらくするとさらに周囲に人が集まりだした。 悲鳴をあげる人、不安そうな視線。 興味本意でスマホをかざす人。 そしてその中の誰かが轢かれた学生へ何かを呼び掛けると同時に彼の意識は闇に刈り取られてしまっていた。 ガクン、と意識がなくなるのが解った。 そこからは本当に何も感じなかった。 気付いたら視界には赤と青の3D眼鏡のような空ではなく、真っ白な病室の天井が映っていた。 はっとして起き上がり、周りを見回すと病室だった。 だが、おかしいところがひとつ。足元に不気味な老人が立っていた。 年の頃なら70なんてものじゃない、80から90。 ひよっとすると100歳かもしれない。 髪の毛なんてほとんど抜けてしまって産毛が残っている程度。
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