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ミナは、にこりと笑って、そのようですねと言った。
戻った舟が接岸し、乗り込もうとするミナに、ネリウスは言った。
「何から何まで、ありがとう。次来るときは美しい景色も見せよう」
ミナは頷いて言った。
「失われていたものを取り戻してください。東部はまだまだ大変でしょうが、アークさまもジエナさまも、きっと手をお貸しくださいます」
ネリウスは力強く頷き、今後の国政を思い描いた。
ミナはデュッカと残りの騎士団と共に、ネリウスとシャズハ、そして3人の従者たちに最後の別れを告げた。
そうして、ヘカテ・リガッタに乗り込むと、漁港に佇む彼らが見えなくなるまで手を振り、船内に入った。
サールーン王国での旅は終わり、あとはゆったりとした船旅を経て、アルシュファイド王国に帰るだけだ。
急激に重みを感じる体を自室の寝台に埋め、ミナはほんの少し眠りについた。
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