第一章 招待状

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 上位の連中の話はこのへんで。  次が普通グループ。顔も普通、勉強も普通、スポーツも取り立ててできるわけではないが、別に運動音痴というわけでもない。大多数の生徒はここに属する。  三番目がカースト下位。帰宅部であったり、アニメや漫画好きのオタク連中。帰宅部であること。部活をやっていないなど、いろいろ構成要件はある。  俊輔の希望は二番目の「普通」グループに属することだった。オタクである三番目の下位グループには入りたくない。実際、自分はそうではないと思っていた。  しかし、現実には――  とんとんと肩を叩かれ、俊輔は振り返った。  同じクラスの梅島が立っていた。ずんぐりした体型で背が低い。見ただけで分かる、カースト下位の人種。 「これ、前に話してたやつ。新刊が出て買ったら、また貸すね」
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