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手に何かが当たる。そばにあの黒いスマホが落ちていた。
拾い上げると、俊輔は鉄柵を背にのろのろと立ち上がった。
突然、天井のライトが消えて真っ暗になった。何も見えない。
パンパカパーン。
ファンファーレが鳴り響き、闇の中で俊輔はびくっと肩を震わせた。
「ウェルカム・トゥ・ザ・拷問トーナメント!」
暗闇の中、声とともに文字が浮かび上がる。人の声ではない。ボカロ。ボーカロイドの人工的な声だ。アニメの声優のような女の子の声だった。
柵から五メートルほど離れた壁面に、大型スクリーンが設置されていた。どこぞの陸上競技場にあってもおかしくない巨大スクリーン。
それで俊輔は、ここがかなり広い空間なのだと気づいた。おそらくは小学校の体育館ぐらいはある。空気がひんやりしているのもそのせいだ。
「みなさん、こんにちわー」
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