第二章 試合開始

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 鉄の柵の外にある大型スクリーンに、アニメ風の女の子が登場する。髪は緑でポニーテール。  どこかで見たような絵。なんだ、この初音×クもどきみたいなキャラは。だが、微妙に違う。まがいもん臭がプンプンする。 「あれえ、声が小さいぞー。もう一度いくよ。みなさん、こんにちわー」  両手を広げ、場違いに明るい声で告げた。  俊輔はあっけにとられていた。何が何だかわからない。 「はーい、ありがとう。ミルとってもうれしいよ。うん、ミルもみんなを愛しているよー。ありがとう」  誰と会話をしているのだろう? 少なくとも俊輔でないのは確かだ。  ボカロのミルが、こほん、と咳払いして仕切り直す。 「はーい、全世界のみなさん、拷問トーナメントの時間がやってきましたぁ。なお、本日の放送は、世界二十三カ国で、インターネットでライブ中継をされていまーす」
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