第二章 試合開始

7/47
前へ
/382ページ
次へ
「はいはい、抑えて抑えて」  ミルが両手を押し上げるようにする。間(ま)を空ける。  誰と会話しているのだろうか? こちらからは分からない。 「まさか三回戦でこんな黄金カードが組まれるとは! 我々はマッチメイクで出し惜しみはしませんっ。TOTはみなさんが見たい、と思えるカードを、惜しげもなく提供していきます」  ミルが満足そうにうなずく。 「肉屋は、本職は本当に肉屋を営む男性。え? 彼のやってるお肉屋さんにお肉を買いに行ったことがある? いやいや、売られているのは人肉かもしれませんよ、ふふふ。なーんて――」  ミルが指を立て、ぱちりとウインクする。
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1683人が本棚に入れています
本棚に追加