第二章 試合開始

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「史上最強のチェーンソー使いと称される悪魔のブッチャー。樹齢三百年の巨木から、人間の小指の第一関節まで自在に切断。冬は自身のチェーンソーの腕を鍛えるため、ホテルで氷の彫刻作りのバイトをしています」  氷をチェーンソーで削り取っていく肉屋の映像が流される。早回しで、あっという間に四角い氷の塊が、白鳥の形に彫り込まれる。親指を突き立て、額の汗を拭う肉屋。 「手足を切り落としても決して人を死なせない技術は、拷問界随一。四十回切り落とすまでは決して死なせない、と豪語しております。  その腕は業界内でも高く評価され、日本最大の広域指定暴力団××組の専属拷問係として活躍しているのは周知の事実です。  今回の九州××組との抗争でも、九州側の関係者をすでに五人拷問にかけ、口を割らせ、そこから得た情報で九州陣営に大きな打撃を与えています」
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