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翌朝は拷問だった。
安酒の二日酔いほど酷い物はない。
頭の中で千人の小人がガンガンとシンバルを鳴らしているような感じがする。
「えー、それでは授業を始め....」
痛すぎて後が続かない。
結局あの後も飲み続け、べろんべろんの細川を彼ピッピの待つ自宅に送り届け、帰ってきたときは3時を回っていたと思う。
最悪だ。
授業しようにも喋れないのでは仕方ない。
今源氏物語なんぞやったら吐くぞ。
結局、彼らが到底解けそうもないプリントを配り授業中は頭を抱えてやり過ごした。
ここまで終業ベルを指折り数えた授業は珍しい。
「先生!」
チャイムと同時に飛び出した私の袖を掴む不届きもの発見。
「先生こっち向いてください。」
渾身の呪いを込めて振り向くと見慣れぬ男子生徒がいた。
「先生、二日酔いですか?」
「だったらなんじゃい」
「いや、酒臭いから。」
マジか
それにしてもこの子は誰だったか?
私は自分の担当クラスの生徒の名前と顔が未だに一致していないのだ。
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